マカ・キャンドルライトセレモニー

タイ国タンマガーイ寺院

   毎年、2月の満月の日にタンマガーイ寺院ではキャンドルライトセレモニーを開催し、各国から多くの信者が集まってきます。世界中から様々な人種や宗教がこの吉祥を祝うために訪れているのです。タンマガーイ大仏塔に集まり、仏法僧に奉じるために瞑想をしています。さらに大切な人々、親戚や友人、生きとし生けるものに対して慈悲の瞑想もしています。 

キャンドルの光は平和を象徴する光のようである

マカブーチャの日

同時刻に世界各地の様々な人種の徳の高い人々が目を閉じ、こころを体の中心に集中させます。大切な人たち、生きとし生けるものが苦しみから解放され、幸せになれるようにという善意を磨きます。私たちの体の中心にある清らかな力によって慈愛を周囲に広げていきます。そして、この瞑想で一つとなったこころからの善意の力を一つにして、私たちの世界が清く澄んだ世界になるようにと願います。

同時刻に各々のキャンドルに火を灯します。一斉に灯された各所にある皆様の何十万、何百万のお平和の象徴であるキャンドルの光は、まるで世界を照らす平和の光のようです。

マカブーチャの日の由来

    この世界中の人々、いかなる人種、民族であっても等しく苦しみからの解放、幸せを願っています。2600年前、菩提樹の下でブッダが瞑想によって悟りを開いたとき、ブッダは生命の至上の真理を理解しました。そして、計り知れないほどの内側に幸せに到達したのです。それはもう二度と苦しみを味わうことのない幸せです。

   悟りを開いてからしばらくして満月の日、ブッダは善来比丘によって出家した1250人の阿羅漢に説きました。ブッダは世界中の人々にも幸せに到達する方法を分け与えたいと望んでいました。その教えの内容は、パーティモッカと呼ばれています。内容は幸せな生活を送るための観念や原則、方法といったものです。そして、世界中の人々を幸せに導く善き友としての務めです。基本的な内容は三つに分類できます。

分類1 観念

1.様々な仕事において“忍耐”が必要である。なぜなら、すべての仕事において様々な問題に直面するのは当たり前のことである。たとえば、天気の移り変わりに耐え、苦労に耐え、影響に耐え、そしてあらゆる欲望に耐えなければいけない。
2.自分の“生きる目標”を知る。数多くの障害に直面、あるいは誰かに虐げられたときに自分の目標がはっきりとしていないと無為に生きるだけで何をしても成功せず、目標から外れてしまう。
3.“他人に迷惑をかけない”何をするにしても他人に暴力をふるってはいけない。他人を幸せに導きたいのであればまずは常に自分を見直さなければならない。

分類2 原則

1.悪行を止める。あらゆる罪業を犯さない。
2.善行を積む。
3.こころを澄んだ状態にする。

分類3 方法

善行の模範となるように自己を啓発し、鍛錬する。次の方法がある。
1.誰かに教え諭すとき、私たちは罵ったり、傷つけたり、文句を言ったり、また誰かを責めてはいけない。
2.自分の考えに賛同させるために他人を追い込み、殴る蹴るなどの暴力を振るわない。
3.自分の行動に注意を払う。何かが起こったとき、誰かを責める前にまずは自分を見つめ直す。毎日、自分を良い方向に改善し、成長させる。
4.何かを消費、使用するときは丁度よいぐらいにする。必要以上に使わない。まるで大木があまり水分を必要としないかの如く。つまり、簡素ではあるが社会に大きく貢献する。
5.忙しく生きない。常に自分の道徳を考察する静寂な時間を見つける。そのときの自分の行動が生きる目標に則ったものであるかのどうかを見つめ直す。
6.瞑想に精進する。幸せを分け与えるためにこころを澄んだ状態にする。周囲、あるいは社会全体にもこころの澄んだ状態を分け与える。
ブッダの説法が終わると、阿羅漢たちは世界中の人々に内側の幸せに到達する基礎知識を分け与えるため、それぞれが各地へと旅立ちました。
もし世界中の人々がこの共通の知識を学び、先に語ったこれらの基礎を実践すれば、真の平和が世界に訪れます。全人類がまるで一つの家族のようにお互いを守り合います。真に愛情が生まれ、お互いを思いやり、善意を持つようになるのです。

平穏と平和は自分自身から始まる

   毎年のマカブーチャの日、私たちはこの日に起こった出来事を思い出し、さらに一人の昔の賢人から始まった道を歩むべきです。つまり、ブッダのことです。ブッダは多くの阿羅漢に説法をし、内側にある幸せに到達する知識を与え、数多くの人々に広げました。ブッダの教えは現代にまで受け継がれてきました。これらの知識を人々が生活で活用すれば、生活がよい方向へと変化していきます。簡単な実践法で私たちのこころに平穏をもたらすことができます。それが瞑想です。さらに私たちに迷惑をかけた人たちを許すことから始めます。それを育んで全人類への慈しみや愛情に変えていきます。人一人の幸せから多くの人へと拡大していきます。それはまるで一本のキャンドルの火から次々と火を灯していき、世界中を照らすかのようです。

世界平和はあなたの手の中に

 世界平和という言葉、それはとても壮大で人一人、あるいは一組織で成すことのできないことです。そして、過去から現代に至るまで多くの組織が世界に平和をもたらそうと活動してきました。しかし、今現代においても本当の意味の平和を成すことができていません。もしも、先に語った教えを考察すれば、世界平和という言葉が簡単なものだと感じられます。まずは自分自身から始めることです。自己を啓発し、身口意を清らかにしてこころをよい方向に育みます。そして、それを自然と周囲の人に広げいき、際限なくどこまでも拡大させていくのです。

故に、マカブーチャの日はこの世界に平和と平穏をもたらすために私たちの愛情と善意を多くの人々に広げる日とも言えるのです。

キャンドルライト点火による万仏節儀式
タンマガーイ寺院タンマガーイ大仏塔前にて

スケジュール
18:00 僧侶代表が会場に到着/キャンドルライト点火/読経/瞑想
18.30 主催代理によるキャンドルライト点火/僧侶代表による万仏節礼拝のお経
18.40 僧侶代表によるキャンドルライト点火、及び優婆夷代理に受け渡し/キャンドルライトへの祈願/世界同時にキャンドルライト点火/瞑想
19:20 タンマガーイ大仏塔を右遶三匝/祈願 慈悲瞑想
20:10 儀式終了